公益財団法人 向日市埋蔵文化財センター

朝堂院(向日市鶏冠井町山畑)

朝堂院(向日市鶏冠井町山畑)

朝堂院(ちょうどういん)は、大極殿院の南にある施設である。有位の官人が早朝から出庁して政務を掌る朝参(ちょうさん)、朝政(ちょうせい)の場であり、国家的儀礼の行われる場でもある。遷都の2年後、延暦5(786)年、7月に完成した(『続日本紀』)。東西158.62m、南北164.31m、26,063㎡(約7,898坪)の広さである。北面は回廊と築地(ついじ)、東西両面は築地、南面は翼廊(よくろう)と築地で区画、閤門と同規模の南門を開く。

 

朝堂院には、東西に4堂ずつ、計8堂の朝堂が配置される。中庭は朝庭(ちょうてい)と呼ばれる。8つの省を統括する太政官以下、事務系行政官、親王たちが朝堂に着座、中庭は儀式の場となる。朝堂院は、長岡京初期には太政官院(だじょうかんいん)と呼ばれ、後に朝堂院と改称された。朝堂は、当時どのような呼称であったか、はっきりしないので、便宜上、北から東・西第一~四堂と呼んでいる。発掘調査により、第一~三堂は、梁間4間(11.84m)、桁行7間(27.3m)の南北棟礎石建物であることがわかった。上屋は二重虹梁蛙又(にじゅうこうりょうかえるまた)構造の切妻屋根と推定されている。第四堂は、西第四堂の発掘調査の結果、梁間4間(11.84m)、桁行10間(39m)と確定した。屋根構造、階段位置については、確定していない。

なお、南門は、昭和29(1954)年12月、長岡京第1回の発掘調査で確認された記念すべき遺跡である。

 

朝堂院復原模型(向日市文化資料館)

朝堂院復原模型(向日市文化資料館)

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